主要ゼネコン26社4~6月期決算/受注高は15社増加、手持ち工事消化を優先

 ◇通期は全社が増収見込む
 主要ゼネコン26社の17年4~6月期決算が出そろった。前年同期と比べ、増収が18社、本業のもうけを示す営業損益は17社が増益となった。業績の先行指標となる単体受注高は15社が増加した。「手持ち工事の消化を優先しているが、それ以上に工事量が出ている」(大手ゼネコン)との声もあり、建設市場の好調さがうかがえる。
 受注高は、前年同期を下回った11社すべてが1割以上減少したが、このうち半数以上は、前年同期の受注額が大きかったための反動減とみられる。
 一方で受注が増えた15社の中では官公庁工事の受注が増加した企業が11社ある。「官公庁の大型入札案件が、たまたま第1四半期に受注が集中した」(大手ゼネコン)との声もあるが、民間工事が増加した企業も8社あり、受注環境は引き続き良好といえる。
 工事採算を示す完成工事総利益(粗利益)率は、公表している24社のうち15社が上昇。15社は2桁に乗せた。「建設資材価格はやや上昇の傾向が見られるが、労務費は安定的に推移した」「前期からの繰り越し工事で追加工事を獲得できたものが多かった」などの声も聞かれた。
 今後の見通しでは、豊富な手持ち工事の消化が順調に進み、通期では全社が増収を見込む。一方で、ほとんどの企業が秋以降、大型案件の施工が進むことで建設コストが上昇するとみており、労務費や資材価格の高騰を見越して損益を慎重に予想する。期初予想では、追加工事や設計変更を織り込んでいないこともあり、粗利率が前期を上回ると予想しているのは、公表している23社のうち2社にとどまる。営業増益の予想も8社にとどまっている。
 受注高についても、通期予想を公表している24社のうち前期を上回ると予想したのは6社。各社とも手持ち工事が豊富な中で施工力を勘案しながら計画的な受注を進める方針で、業績の修正は行っていない。

(日刊建設工業新聞様より引用)