大阪市/JR学研都市・東西線京橋駅地下化調査検討業務入札公告

 大阪市建設局はJR学研都市線・東西線京橋駅の地下化に向けた調査検討業務を委託する。2014年度の建設事業評価有識者会議で事業休止と判断されているが、地下化によって駅周辺の踏切がなくなり、交通渋滞の緩和が期待されることから改めて現況を調べた上で、事業効果を算出する方針だ。一定の効果が確認できれば、有識者会議で再評価を受け、再開が可能かを判断してもらう。南海高野線の高架化に向けた調査も実施する。25日付で「21年度連続立体交差事業に関する調査検討業務委託」の制限付き一般競争入札を公告した。
 計画によると、JR線によって南北地域が分断されているため、都島区片町2から城東区新喜多2までの延長1・3キロで連続立体交差事業を実施し、京橋駅を地下化するとともに、同駅東側にある3カ所の踏切を除去する。地下化で都市計画道路の整備が進むほか、交通の円滑化が期待され、大阪市東部の玄関口である京橋駅のターミナル機能強化につなげる。00年度に着工準備採択を受けている。
 14年度の再評価では厳しい財政状況から、市が事業中の路線に予算を集中していることを有識者会議に報告し、最終的に事業の必要性は高いものの、事業休止と判断された。この時点の総事業費は約650億円だった。
 今回の調査検討業務では駅周辺道路の移動時間や交通事故、歩行者数など現状を整理した上で、連続立体交差事業による整備効果を確認。概算の総事業費を踏まえ、費用便益比を算出する。再評価を受ける時期は未定だが、事業の必要性が高いと判断されれば、都市計画決定に向けた手続きを進め、事業認可を目指すことになる。
 入札参加資格は建設コンサルタントの鉄道部門の登録を受け、16年度以降に官公庁発注による連続立体交差事業関連調査業務の元請履行実績があること。入札書の提出期間は6月11~14日。同16日に開札する。開札後に資格審査を行い、落札決定する。履行期限は22年3月31日。
 同市内では南海高野線の周辺道路で交通渋滞が発生しており、踏切の解消に向けた調査検討も進める。具体的な対象区間は今後検討する。

(日刊建設工業新聞様より引用)