日特建設/ツインヘッド仕様のボーリングマシンを導入/大深度地下にも対応

 日特建設はツインヘッド仕様の次世代型ボーリングマシンをドイツから導入した。削孔能力に優れたロータリーパーカッションヘッドと、地盤改良に用いるロータリーヘッドを備えた大口径大型削孔機。削孔とジェットグラウトの造成が1台で可能になる。ICT(情報通信技術)対応で高い安全性も備えるとともに、自走式のため狭い現場にも適用できる。最大削孔径は324ミリ。大深度で高い精度が求められる探査ボーリングなどへの展開を目指す。
 導入した「ハイグランツドリル」は国内最大級の大型機。報道陣に6日公開した。ドイツのボーリングマシンメーカー・ヒュッテが製造。ツインヘッド仕様は国内初という。
 削孔径はロータリーパーカッションヘッドが68~324ミリ、ロータリーヘッドで79~194ミリ。ロータリーパーカッションヘッドを横にスライドしロータリーヘッドに切り替え、地盤改良の高圧噴射施工ができる。従来の兼用機械は、ロータリーヘッドで削孔から改良まで行うため、削孔スピードの遅さが課題だった。
 3メートルの長尺ケーシングに適用可能となっており、大深度の注入工事でも鉛直精度を向上できる。削孔用の送水ポンプも搭載。施工時の安定性を高めるアウトリガーや、遠隔操作システム、非常停止装置などで安全性を高めている。ケーシングを扱う重機「マニピュレーター」や、ケーシングをラックに並べて自動的に脱着する「ロッドマガジン」の併用による省力化も図る。
 ICT対応の面では、深度や推力、回転数などが数値で確認できる。GNSS(全球測位衛星システム)と連動することで、移動装置の自動化も可能としている。地層検知システム(DSS)と人工知能(AI)とを融合した無人化施工も今後の展開に見据える。
 購入費用は約1・3億円。年内に試験施工を行い、来年からの実現場投入を目指す。適用工種の拡大も進める。3~4年間で4~5台体制に増やす予定だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)