錢高組/高所作業車など屋内測位システムを構築/低コストで位置把握

 錢高組は現場で稼働する高所作業車などの位置を見える化する屋内測位システムを構築した。ピコセラ(東京都中央区、古川浩社長)の無線LAN機器に省電力タイプの近距離無線通信技術(ブルートゥース)を組み合わせ、屋内測位システムで物流倉庫にある高所作業車の位置を把握する。現場内で高所作業車を探しに行く時間が削減できるなど、現場の生産性に役立つという。
 システムの構築に当たっては、ピコセラの無線LAN機器とブルートゥースの一部である低消費電力通信モード(BLE)の受信機能を一体化した。受信機と無線LANが別々になっていた従来の屋内測位システムよりも経済性に優れ、システム構築の柔軟性も向上。BLEの省電力で到達距離約100メートルの電波を送信できるブロードキャスト機能を使うことで、無線LAN機器の設置数を減らし、現場のコスト低減につなげた。
 実証実験では、1フロアの床面積が約2万平方メートルの物流倉庫に、BLEを使った4台の測位機器を設置。タブレット端末を使い、稼働中の高所作業車の屋内位置を従来のシステムと同等の測位精度でリアルタイムに把握できることを確認した。
 現場では高所作業車などのモノと作業員の位置を把握する管理業務の効率化が求められている。日々変化する現場に対応したシステムを導入するには、現状のシステムでは初期投資費や維持管理費などのコスト負担が課題となっていた。
 今後は現場の規模に応じてシステムを導入すると同時に、システムを活用してモノとヒトの所在管理、配置の最適化や、作業員の安全管理、健康管理などに役立てていく。

(日刊建設工業新聞様より引用)