関東整備局荒川下流河川/ドローンポート使い河川巡視実証、操縦者1人で2機自律飛行

 関東地方整備局荒川下流河川事務所は18日、ドローンポートを使って複数ドローンが同時に自律飛行する河川巡視のデモ飛行を行った。荒川上空のドローン利用ルール策定に向け実施している実証実験の第12弾。SORABOT(横浜市都筑区)とロジクトロン(東京都練馬区)のグループが、荒川下流部にある岩淵水門(東京都北区)周辺でドローン2機を同時に飛ばした。運行管理(UTM)システムにより操縦者1人で自律飛行し、河川巡視を行った。
 実証実験は、同事務所の屋上から1機が離陸。もう1機は岩淵緊急用船着き場(東京都北区)に設置したドローンポートから飛び立ち、2機同時に荒川上空を飛行する計画。操縦者1人で複数のドローンを同時に自律飛行させるUTMシステムを用いた。ドローンポートとの通信接続は米スペースX社が提供する衛星通信「スターリンク」を使い、携帯電話網の通信状況が悪いという河川上空の難点を解決した。
 ドローンはDJI製の「MAVIC2Pro」と「MAVIC3T」で、ドローンポートはSORABOTが取り扱う「DroneNest(ドローンネスト)」を使用した。ドローンネストはさまざまなドローンに対応した自動離着陸と充電ができるのが特徴。MAVIC2クラスのドローンの場合、45分程度で充電が完了するという。国内で2年ほど屋外に設置して活用した実績があり、本体はほぼメンテナンスフリーで長時間稼働できる。
 同日の実証実験では、通信状況などの問題で同時飛行できなかったものの、UTMシステムで同時に2機を管制できることを確認した。SORABOTの奥村英樹最高経営責任者(CEO)は「将来、規制緩和が進めば補助者なしの操縦者1人でドローンを飛ばしたい。現在は船や歩行者などとの関係で飛ばせない場合も多いので、行政側と一緒に課題を解決していきたい」と話した。

(日刊建設工業新聞様より引用)