鹿児島県/志布志港の長期構想策定に着手、新たな岸壁整備など議論

 鹿児島県は志布志港(志布志市)のおおむね20~30年先の総合的な港湾空間の形成と在り方を取りまとめる長期構想の策定に着手する。2023年度に学識経験者や地元の港湾関係者らでつくる検討委員会を設置。船舶の大型化などに対応するための新たな岸壁整備や港のにぎわい創出などについて検討する。年度内に2回会合を行い、長期構想のたたき台を示すなど議論を進めたい考えだ。
 21日に開いた県議会本会議の一般質問に安原達土木部長が答弁した。
 県では取り扱い貨物での原木の増加や都城志布志道路などの交通ネットワークの進展など環境の変化に対応するため、16年度から国、県、市による勉強会を開催。21年度からは港湾利用者を加えて意見交換を行ってきた。
 勉強会では貨物輸送をより環境負荷が低い輸送手段に切り替えるモーダルシフトの進展、原木輸出量の増大などに対応するためのふ頭再編などについての意見が出された。
 県は今後長期構想で示す方向性を踏まえ、港湾計画の見直しについても検討することとしている。
 志布志港は穀物の国際バルク戦略港湾に指定されるなど飼料用穀物などの輸入拠点。県は農林水産物、食品のさらなる輸出促進に向けて農林水産物、食品の輸出額を30年時点で36億円(21年実績は21億円)とする促進計画を取りまとめ、5月に国から同計画の認定を受けた。

(日刊建設工業新聞様より引用)