三機工業/クリーンルーム向け省エネ空調システム開発/40%以上の省エネ実現

 三機工業は26日、半導体などの製造に使用されるクリーンルーム向けの省エネ空調システム「DOUP(ドゥーアップ)」を開発したと発表した。クリーンルームを高い清浄度が求められるオペレーションエリアと、それ以外のメンテナンスエリアに分類し最適な方法で空調する。従来のクリーンルームとほぼ同等の導入コストで40%以上の省エネを実現。ランニングコストは約30%削減できる。
 ドゥーアップは、半導体を取り扱うオペレーションエリアで、天井面に配置したファンフィルターユニット(FFU)から清浄空気を供給し、エリア全体の清浄度を確保しながら空調する。その後、この空気をメンテナンスエリアに排出して半導体生産装置の冷却に使用する。
 これまでのクリーンルームは、間仕切りのない大空間に生産装置を配置する「ボールルーム方式」が一般的。空調は冷却された高清浄度の空気をFFUによって、オペレーションエリアとメンテナンスエリアに供給。清浄度の維持と熱負荷処理を同時に行っていた。
 ドゥーアップは発熱負荷の少ないオペレーションエリアに空調空気を供給した後、発熱負荷の多いメンテナンスエリアに送り温まった空気を上部にためて排出する。ボールルーム方式に比べ効率的な空調が可能になるとともに、高い吹き出し温度で空気を供給できることで、省エネにつながる。
 気流の流れが一定でほこりなどが拡散するのを防ぎ、製品の汚染リスクも低減する。このほか、冷却に必要なコイルを天井エリアの壁面に設置するため、これまで冷却装置を入れていたスペースが不要となり、フロア面積を有効に活用することで設計の自由度が高まる。
 現在、1件の半導体工場への採用が決定し、さらに複数案件に提案活動を実施しているという。今後、クリーンルームの新しい省エネ技術として積極的に営業展開していく方針だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)