日建連/第1回土木賞に11件選定/21年4月19日に表彰式

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は9日、第1回「土木賞」に11件を選定したと発表した。うち1件は特別賞。無人化施工で熊本地震の復旧工事に貢献した熊谷組の「阿蘇大橋地区斜面防災対策工事」など砂防(災害復旧)をはじめ、ダムの新設や撤去、再開発のほか、シールド、橋梁、電力施設など幅広い工種が受賞した。
 土木賞は、社会基盤として国民生活と経済活動を支える土木分野の優れたプロジェクト・構造物を表彰する。完成した構造物だけでなく、事業企画から設計、施工、維持管理までを視野に入れて施工の過程で直面する問題を解決しながら、関係者が一丸となり現場で要求される品質をいかにクリアしたかを選考の視点とした。
 58件の応募があった。発注者や会員外による応募もあり、特別賞には非会員のIHIインフラ建設の「湖陵多伎道路多伎PC上部工事」が選ばれた。朝比奈志浩常務理事は「施工プロセスを重視した施工者団体の賞にふさわしい応募が集まった」と選考過程を振り返った。
 建築、土木両分野が対象の新表彰制度「日建連表彰」を創設してから最初の選考となる。新型コロナウイルスの流行で現地調査が遅れた第61回「BCS賞」は現在も選考が続いている。12月下旬に受賞者を公表する予定だ。いずれも表彰式は2021年4月19日午後2時から東京都港区のThe Okura Tokyoで開く。祝賀会は行わない。
 第1回土木賞の受賞者は次の通り。▽プロジェクト・構造物=応募者。
 〈土木賞〉
 ▽阿蘇大橋地区斜面防災対策工事=熊谷組▽天ケ瀬ダム再開発トンネル放流設備流入部建設工事=大成建設▽荒瀬ダム本体等撤去工事=フジタ▽国道45号夏井高架橋工事におけるi-Bridgeの取り組み=三井住友建設▽鶴田ダム再開発事業~ダム再生リーディングプロジェクト~=九州地方整備局▽阪神高速道路大和川線シールドトンネル工事=阪神高速道路▽福島第一原子力発電所陸側遮水壁(凍土壁)=鹿島▽三種浜田風力発電所建設プロジェクト=大林組▽八ツ場ダム本体建設工事=清水建設▽横浜北線鉄道(JR、京急)交差部新設工事=鹿島
 〈特別賞〉
 ▽湖陵多伎道路多伎PC上部工事=IHIインフラ建設。

(日刊建設工業新聞様より引用)