西日本高速四国支社/松山道・伊予IC~中山スマートIC付近の4車線化工事が最盛期

 西日本高速道路四国支社が愛媛県内で進める松山自動車道伊予IC~中山スマートIC付近約6・3キロ区間の4車線化工事が最盛期を迎えている。鋼橋の上灘川橋(橋長339メートル)はメインとなる橋桁の送り出しが8月に完了した。コンクリートアーチ橋の双海橋(232メートル)は張り出し工法を採用し、年明けの接合を目指している。
 松山自動車道では、伊予IC(伊予市)~大洲IC(大洲市)間の3カ所(合計約20キロ)の区間で4車線化事業が進行中。最初に事業化された伊予IC~中山スマートIC付近の約6・3キロ区間では、明神山トンネルや上灘川橋、双海橋の建設が進んでいる。現場が報道陣に14日公開された。
 横河ブリッジが施工を担当する上灘川橋は鋼単純細幅箱桁+鋼5径間連続少主鈑桁。現場が急峻(きゅうしゅん)な斜面のためクレーンを使った架設は難しい。バックヤードで約30メートルずつ橋桁を組み立て、前に送り出す送り出し工法を採用した。全7回作業を繰り返し、8月上旬に送り出しを完了した。送り出した橋桁の重量は約1000トンに及ぶという。今後、床版工事などを進める。工期は2024年7月22日まで。
 上灘川橋から100メートルほどの場所では双海橋の建設が進んでいる。PC4径間連続バランスドアーチ橋で鹿島・富士ピー・エスJVが施工を担当している。アーチ支間長は103メートル。張り出し工法で両側にバランスを取りながら、橋桁などを伸ばしている。移動台車と作業床が一体となった専用のアーチリブ移動作業車を導入。前進後退や昇降が可能で、効率かつ安全に施工できるという。工期は24年10月14日まで。
 明神山トンネル(2545メートル)は大林組が施工を担当し、19年5月から約2年半をかけ21年11月に貫通した。主に発破掘削で進め、地盤の軟らかい終盤の約200メートル区間は機械掘削を行った。最終の舗装や設備工事を残すだけとなっている。
 この区間では明神山トンネルを中心に渋滞が発生していたが、4車線になることで渋滞の解消や対面通行による正面衝突など重大事故の減少が期待されている。南海トラフ地震など大規模災害発生時に早期に交通機能を確保し、復旧を支援できるようになる。
 愛媛工事事務所の渡邉浩延所長は「供用中の路線の横で事業を進めている。安全第一に、確実に4車線化を進めて一日も早い供用を目指したい」と話している。

(日刊建設工業新聞様より引用)