回転窓/大きな行動が必要

 「債務拡大につながっても恩恵は代償を上回る」(ロイター)。米国のバイデン新政権で財務長官に就任予定のジャネット・イエレン氏の発言だ▼先月行われた米上院財政委員会の指名承認公聴会。新政権の1兆9000億ドル規模の新経済対策案に対し、必要性を強調した。大型経済対策はトランプ政権時から数えると今回が3回目。米国内では債務拡大を懸念する声も上がる▼それに対し「追加措置を講じなければ、足元のリセッション(景気後退)の長期化と深刻化を招く恐れがあり、今後の経済により長期的な傷跡を残しかねない」とイエレン氏。新型コロナウイルス対策は「大きな行動に出るのが賢明」と訴えた▼新経済対策案には予防接種の普及や失業手当などの延長だけでなく、野心的なインフラ投資計画も含まれる。連邦準備制度理事会(FRB)の議長だったイエレン氏は財政出動が経済成長を促すというケインズ学の信奉者。インフレ率よりも雇用に重点を置いた政策を今後打ち出すだろう▼日本も財政再建論に固執せずコロナ禍での雇用の受け皿を早急に作る必要がある。その意味でも公共事業の役割は大きい。

(日刊建設工業新聞様より引用)