国交省/出水期工事の統一ルール運用開始/河道掘削工など6工種

 国土交通省は2021年度に実施する直轄河川工事を対象に、降雨量が増える出水期(6~10月)に適用する全国統一ルールの運用を始めた。増水時の退避計画を策定したり、資材などの流出防止措置を講じたりすれば、特定の工種が施工できるようになる。対象は20年度と同様、河道掘削や浚渫工、天端舗装工など。出水期を有効活用し、施工時期の平準化や働き方改革につなげる。
 対象は▽河道掘削・浚渫工▽天端舗装工▽工事用・管理用道路工▽土砂運搬工▽根固め(乱積み)工▽樹木伐採・流木除去-の6工種。準備と後片付けも全工種で可能だ。
 工期全体に余裕を持たせ、施工時期の平準化につなげる。現場の週休2日確保を可能にし、建設業の働き方改革を後押しする。近年は水害の頻度が増え、被害も拡大している。施工可能な期間の底上げで治水対策を加速する。
 実施する場合、工種を特記仕様書に記載する。受注者が提出する施工計画書に、作業員の退避方法や資機材の流出防止策を記載するよう求める。河川水位などの情報を収集し、現場に伝達する方法も明記する必要がある。作業が増えた場合は適切に設計変更する。
 国交省は原則、出水期は河川工事を施工しないことにしていた。近年の気象予報技術の向上を踏まえ、17年度から出水期施工の全国統一ルールを導入した。出水期は河川ごとに異なるが、大半の河川で6月1日~10月31日と定めている。

(日刊建設工業新聞様より引用)