国交省/広域プロジェクト具体化へ調査検討支援/17年度に10件程度で

 国土交通省は、3月に8地方ブロックごとに決定した国土形成計画の広域地方計画(15~25年度)で、最重点施策に当たる計116件の「広域連携プロジェクト」の具体化に乗りだす。都道府県や市区町村の枠を超えた地域単位で社会資本整備やその戦略作りを官民一体で推進する。先行して特に有効と判断した10件程度を抽出し、17年度から官民の調査検討費を財政支援。19年度ごろからの具体化を目指す。
 17年度予算の概算要求で関連費用2億40百万円を新規計上した。
 広域連携プロジェクトは、すべての広域地方計画に共通する最重点施策と位置付けられている。人口減少が進む中、従来はあまり重視されてこなかった広域単位での官民連携による公共交通ターミナルの整備や企業拠点施設の再配置などを推進し、人や物が活発かつ効率的に行き来できるようにする。
 公共交通ターミナルなど個別の社会資本整備の詳細な調査や工事は、引き続き「官民連携基盤整備推進調査」などの現行事業も並行・活用して支援する方針だ。
 国交省が先導事例の一つと位置付けるのが、建設中のリニア中央新幹線の中間駅が設置される相模原市や隣接する東京都町田市など都県にまたがる複数の市町村を核にした「首都圏南西部国際都市群の創出プロジェクト」。域内には合算で東京都と横浜市に次ぐ日本3位の人口(約280万人)が集積し、多数の大企業の研究施設や大学のキャンパスもある。
 同地域では現在、リニアと首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の連結機能を強化できるような社会資本整備の検討が進められている。
 全116件の内訳を地方ブロックごとに見ると、首都圏38件、中国圏19件、東北圏15件、九州圏12件、中部圏10件、北陸圏9件、近畿圏8件、四国圏5件となっている。

(日刊建設工業新聞様より引用)