日立建機/国内最大規模ICTデモサイト開設/常陸那珂工場(茨城県ひたちなか市)に

 日立建機は、同社の常陸那珂工場(茨城県ひたちなか市新光町552の48)内に、国内最大規模となるICT(情報通信技術)デモサイトを開設した。国土交通省が推進する生産性向上施策「i-Construction」に対応した同社製の建機などを使った施工体験ができる施設。同社が建機のデモンストレーションを行う大規模な施設を保有するのは初めて。ゼネコンや建設関連企業を多く招き、製品の普及につなげる。
 デモサイトでは、i-Construction対応油圧ショベル「ZX200X-5B」によるのり面整形作業などを体験できる。独自のマシンコントロール機能を搭載し、GPS(衛星利用測位システム)やGNSS(全地球航法衛星システム)などを組み合わせることで掘削作業を半自動制御化できるのが特徴だ。
 デモサイト開設に当たって、測量機器メーカーや土木測量のソフトウエアを提供する企業など約20社とパートナー契約を結んだ。自社以外が持つ技術やアイデアを組み合わせて事業を展開する「オープンイノベーション」を進めることで技術開発を促進し、デモサイトの充実を図っていく。
 同社は、安全性と生産性の向上といった顧客のニーズに応えるため「顧客ソリューション事業推進本部」を4月に設置。建築・土木、マイニング(鉱業)など多分野をターゲットに、最新のICTやIoT(モノのインターネット)を活用し、顧客と一体となって課題解決に取り組んでいる。その取り組みの一環としてデモサイトを開設した。
 デモサイトは、遊休地となっていた1・4万平方メートルの土地を有効活用して整備。主に、建機が稼働するフィールドと、見学者を収容する建物で構成している。
 同社は3日、デモサイトの開所式を現地で開いた。辻本雄一社長のほか、来賓として橋本昌茨城県知事、森昌文国交省技監などが出席。開所式の冒頭、辻本社長は「昨今建設現場で問題となっている職人不足に対応するため、半自動で経験が少なくても施工できる建機を開発した。施工を実際に体感してもらうことで、安全・安心なインフラ構築への貢献を図りたい」とデモサイトに期待を寄せた。
 同様のデモサイトは、コマツやキャタピラージャパンなどが既に保有しており、新型建機のお披露目やデモンストレーションなどに使っている。

(日刊建設工業新聞様より引用)