東京都/葛西臨海水族園(江戸川区)整備、新施設建設に向け準備工事着手

 東京都は新たな葛西臨海水族園の建設に向けた準備工事に入る。施工場所は江戸川区にある既存の水族園の北側で現在「淡水生物館」が立っている。同館を含めた付近のエリアは19日に利用を終了。20日以降に飼育している生き物を既存水族園のバックヤードに人の手で移す。その上で夏以降をめどに同エリアに埋設している電線や水道管などの切り回し工事や、淡水生物館の解体工事を行う。
 工事現場は江戸川区臨海町6。新水族園を建てる場所に当たる。地下にあるインフラ設備は既存水族園用。建物を保存し活用することが決定しているため、新水族園の建設工事で支障とならないよう配置を変える。
 現在、工事場所には淡水生物館が立地するほか、水辺の自然エリアや芝生広場などが広がっている。淡水生物館の近くには水辺の自然が人工的に再現されており、多くの生き物が生息している。新しい水族園の館内に川辺の環境を再現。川の源流から河口までの生態系を展示する。
 新水族園の建設と維持管理などを含めた「葛西臨海水族園整備等事業」はNECキャピタルソリューションを代表者とするグループが担当している。2023年11月までに基本設計を完了し、現在は実施設計に取り掛かっている。建設に向けた準備工事も並行して進める。実施設計期間は9月までを予定する。建設工事は同12月以降に入る予定で、27年9月に完了。開園準備期間を経て、28年3月にオープンする予定だ。
 新たな水族園の本館はRC造地下1階地上2階建て。本館やエネルギーセンター棟などを含めた総延べ床面積は約2万4000平方メートルとなる。水槽水量は約4800トンに上る。緑に溶け込む丘のような外観で、館内には最先端の環境負荷軽減システムを備える計画だ。敷地内には水族園利用者以外も入ることができる樹木の広場「共生の杜」も整備する。
 保存する既存の水族園は建築家の谷口吉生氏が設計した。利用方法に関して、年度内に有識者による意見交換を行う。

(km5002h_admin様より引用)