違法民泊の取り締まり強化

大阪府23件、京都市176件が営業停止

旅館業の許可を得ていない違法な民泊運営者が増加している問題を受け、地方自治体が取り締まりを強化している。

大阪府は6日、今年4月から9月までに違法に運営していた民泊施設23件に対して営業を中止するよう行政指導を行ったことを明らかにした。
民泊仲介サイトの情報や近隣住民からの通報をまとめ、違法な運営者を特定した。

京都市も4日、4~8月までに違法とみられる民泊物件976件を調査し、うち148件に営業停止命令を下したと発表した。
京都府ではこのほかにも、違法な民泊物件176件に対して現在も行政指導を行っていることを明らかにした。

運営者が特定できない物件も352件あった。
仲介サイトの情報から物件の住所や貸主の個人情報を特定できないことが理由で、自治体による調査の限界も見せる結果となった。

違法な民泊運営者が増加している要因として、許可の取得が困難であることが挙げられている。
現行の制度で集合住宅の一室で民泊を行うためには、自治体から旅館業法の営業許可を取得するか、国家戦略特区制度を活用する必要がある。だが、旅館業法を得るためには帳簿設置の義務などといった自治体ごとの要件を満たす必要があり、特別な改装をせずに許可を取得することは難しいとされている。

一方、政府が定める国家戦略特区制度を活用した民泊運用の場合、旅館業法の許可を得る必要がないものの、顧客ごとの最低宿泊日数を6泊7日とする制限があったことから、活用は進んでいなかった。
政府は9月に特区民泊の最低宿泊日数を2泊3日に緩和し、特区制度の活用促進を進めている。

市の担当者は「民泊を広げていくためには、特区などの法制度を正確に知ってもらう必要がある一方で、違法な運営者を厳しく取り締まる必要がある。今後も違法な民泊に対しては法令順守を呼びかけ、全庁を挙げて適正化を図りたい」としている。

(全国賃貸住宅新聞様より引用)