鉄建建設ら/小水力発電装置を開発/農業用水路でも効率的に発電、茨城県で試験運転

 鉄建建設は15日、新型タービンを搭載した小水力発電装置を開発したと発表した。発電性能は1分当たり60回転(60rpm)で9・6ワット。小規模な農業用水路やトンネル湧水を排出する中央排水溝程度の水量で発電できる。害獣侵入を防ぐ電気柵を作動させたり、河川の水位計測データを観測所に送信できたりする。現在、茨城県石岡市の農業用水路で試験運転を実施している。
 水力発電は、装置の規模に関係なく水深の浅い水路や流速の遅い水路、流量の少ない水路への設置が難しい。同社はこの課題を解決するため、NewAct(東京都豊島区、中山英寿代表)、あき電器(同調布市、古池祥克社長)、久力製作所(茨城県行方市、久力章喜代表取締役)と共同で、新型の小水力発電装置を開発した。
 新型装置には、水流で開いたり閉じたりする16枚の可動翼がついた円盤形のタービンを採用。上流から流れてきた水の力を受けて可動翼が開き、タービンを回転させる。下流側に移動すると水流で可動翼は閉じ力を受け流す。
 小さな力でタービンを回すことができる機構で、水深10センチ程度、水量1秒当たり0・02立方メートル以上、流速1秒当たり1・5メートル以上といった条件に合えば、小規模な農業用水路やトンネル湧水を排出する中央排水溝程度の水量でも発電が可能。流速や流量が極端に少ない水路でも、小さな落差を利用して集水加速導水路を設置すれば発電できる。特許出願中で、実用販売の可能性を検討しているという。

(日刊建設工業新聞様より引用)