NIPPO/労働環境改善へ反射材付サポートウエア導入/生地の張力で腰の負担軽減

 NIPPOは29日、舗装工事やアスファルト合材工場向けに、作業に伴う腰の負担を軽減できるサポートウエアを導入すると発表した。農業や物流、介護分野で実績のあるモリタホールディングスの腰部サポートウエア「rakunie(ラクニエ)」に、同社が提案したカバー式反射材を取り付けた新型モデルを採用。トンボやスコップを使う中腰での作業や常温合材の運搬などでの疲労蓄積を減らす。屋外作業で着用する反射材の付いた安全チョッキも不要になる。
 同社は労働環境改善策の一つとして、14年度に疲労軽減スーツの試験導入を開始。舗装工、製品製造、試験業務などを担当する女性を含む約50人にモーター駆動式や圧縮空気式など複数種類のスーツを着用してもらい、アシスト力や着用感の評価を行った。
 舗装工事は中腰での作業が多いのに加え、しゃがんでのマーキング作業や機械の運転など、1人が1日に行う作業でも内容によって作業姿勢が異なる。このため、着用感や脱着の手間が少ないラクニエを採用することにした。
 12年に発売されたラクニエは、前屈時の背中の伸びを利用した弾性生地(ゴム)の張力を利用して腰部をサポートする。荷物をひざから腰の高さまで持ち上げる実験では、前屈姿勢を支える脊柱起立筋と大腿(だいたい)二頭筋の負担を平均17%軽減できることを確認。車の運転時や休憩時には尻のバックルを外すだけでサポート力を解除できる。
 約250グラムと軽量なのも特徴。男女兼用でサイズはXS、S、M、Lの4種類。カラーはいずれもブラック。販売価格は2万3000円で、これまでに約1万2000着の販売実績がある。
 同社は、屋外作業で反射材の付いた安全チョッキの着用を義務付けており、「夏場の現場でサポートウエアと安全チョッキを併用すると暑苦しい」という意見が相次いだ。
 このため、ファスナーで後付けできるカバー式の反射材をモリタホールディングスに提案した。両肩から背中にかけてと太ももの裏に取り付ける。夜間作業者の視認性が高まり、作業の安全性も向上する。
 新型モデルの評判は上々で、合材工場で着用した人は「疲労の蓄積が少なく、なくてはならない必需品になった」という。相田尚技術本部総合技術部生産機械センター機械開発課長は「必要とする人に適宜提供していきたい」としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)