オートデスク/新クラウドサービス開始/BIMデータを3DCGに自動変換

 オートデスクは、建設業向けに新たなクラウドサービスの提供を始める。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトウエア「Autodesk Revit」のBIMデータから、バーチャルリアリティー(VR)などに使える3次元(3D)インタラクティブコンテンツを簡単な操作で作成できるようにする。従来は専門業者に委託していた作業を不要にし、設計者が自分で行えるようになるという。
 建物の外観や内部の情報をプロジェクトの関係者と共有したり、施主や利用者に説明したりする場合、3Dのコンピューターグラフィックス(CG)が使われるケースが少なくない。CGの作成は外注するのが一般的で、時間と費用がかかる点が課題となっている。
 新サービス「Autodesk LIVE」は、Autodesk Revitアドインソフトウエア、クラウドサービス、Autodesk Live Editor、Autodesk Live Viewerで構成する。
 Revitからワンクリックで3DCGに変換できるのが特徴で、開発を手掛けた技術営業本部の宋明信氏は「何日もかかっていた作業が数分で行えるようになる。設計者が自分でできるメリットは大きい」と話す。
 制作したコンテンツは、建物の外観や内部を実際の建物のように表示し、見た目やスケール感を確認できる。車いす利用者や高齢者、子どもの利用を想定し、視点の高さを変えて内部を移動しながら、障害物の有無や扉の動きの安全性を検討することもできる。
 このほか、季節ごとに気象条件を変え、太陽光が窓からどこまで差し込むかを確認して照明の量を検討したり、人や植物の3Dデータをコンテンツ内に配置して人の流れや視線に入る風景を確認したりすることもできる。
 BIMデータが含まれるため、より質の高いレベルの情報共有を実現し、業務効率と作業品質の向上につながる。ヘッドマウント・ディスプレーなどVR機器で見ることも可能で、設計コンペやマンションのモデルルームなどでのプロモーションに役立ててもらう。
 今月下旬に同社オンラインストアで販売を開始する。1カ月の使用料は1ライセンス当たり5000円で、クラウドの使用回数は無制限。Autodesk Live Viewerは無料で提供する。

(日刊建設工業新聞様より引用)