大分県/日田山国道路1号トンネル本坑23年度にWTO入札、年内開札を想定

 大分県は地域高規格道路の中津日田道路の一部区間として整備を進める「日田山国道路」(中津市山国町守実~日田市三和、延長約8・8キロ)について、区間内最長となる延長2853メートルの1号トンネルの本坑工事を2023年度に発注する。WTO対象の一般競争入札で2工区に分けて発注し、年内の開札を想定。24年3月定例議会に請負契約を諮り、承認後に正式契約を結ぶ見通しだ。
 市境に当たる大石峠を抜ける1号トンネルは、並行する避難坑の工事を先行して行っている。避難坑は中津側の延長1400メートル、日田側の1521メートルの2工区に分けた両押し施工で、工法はNATM。本坑も同程度の延長で工区分けし、施工方法も踏襲する見込み。
 日田山国道路は国の補助事業の対象となっており、施工中の5号トンネル(延長869メートル)などの事業費として23年度は28億2500万円が計上されている。1号トンネル本坑分の事業費は未計上で、24年度以降の予算計上に向けて調整していく。1号トンネル本坑の施工には複数年度にわたる債務負担行為の設定も検討している。
 同道路は2車線で、設計速度は時速80キロ。全体事業費は338億円。トンネルがルートの約6割を占める。1、5号トンネルのほか、2、3、4号の3カ所のトンネルが計画されている。県は2~4号トンネルの早期整備に向けても、用地取得の協議や詳細設計を今後進める。
 完成すれば中津市山国町から日田市までの所要時間を約7分短縮できる見込み。急峻(きゅうしゅん)な大石峠を長いトンネルで抜けることでルート全体のカーブや坂を緩やかにし、冬季の積雪や凍結時などの安全性を高める。災害時の避難や救援活動でも大きな役割を果たすと期待される。

(日刊建設工業新聞様より引用)