大阪府、大阪市/万博候補地を夢洲(大阪市此花区)に集約/IR整備用地も確保

 大阪府が2025年の誘致を目指している国際博覧会(万博)構想で府と大阪市は、会場候補地を大阪市此花区の人工島「夢洲」に集約する方針を決定した。万博会場に必要な約100ヘクタールを夢洲のほぼ中央部に確保できる見通しが付いたため。松井一郎大阪府知事は8月、夢洲では100ヘクタールを確保できず同区の舞洲地区や住之江区の咲洲地区にも会場を分散配置する考えを明らかにしていた。カジノを含む統合型リゾート(IR)も夢洲北エリアの約70ヘクタールで展開する方向性を決めた。
 当初は分散配置案を検討していたが、専門家らから会場間の移動手段などの面から再検証を求める意見も出ていた。こうした中で夢洲第1エリアで複数の企業が設置した太陽光発電施設を一時的に移設すれば万博会場に必要な面積を確保できることが分かり、夢洲での会場集約を決めた。
 夢洲の万博用地のうち南部の土地約30ヘクタールは、博覧会国際事務局(BIE)が18年度に25年大阪万博開催を正式決定後、埋め立てに着手し、23年からの会場建設に間に合わせる計画だ。
 吉村洋文市長は「IRと万博の両立が可能になった」と語った。
 松井知事は25年大阪万博開催に向けた企業負担のあり方について「さまざまな方法がある」としたうえで「あらゆる方法で経済団体の支援や協力を求めたい」と言明。関西広域連合の参加自治体の協力を要請する意向を示しながらも「今の時点で財政負担をしてほしいと言うつもりはない」と述べた。

(日刊建設工業新聞様より引用)