安藤ハザマ/厚幌ダムのCSG打設完了/混合装置導入、8・5カ月で36万立米打設

 安藤ハザマは23日、北海道厚真町で施工中の国内3例目となる台形CSGダム「厚幌ダム」で、15年6月12日~16年7月4日(冬期休工15年11月20日~16年3月14日)の実施工期約8・5カ月という短期間に、約36万立方メートルのCSG打設を完了したと発表した。CSG製造に独自の混合システムを導入し、品質の確保と大量施工を実現。この間の1カ月当たりの堤体打設量は最大7万4000立方メートルに上るという。
 北海道胆振総合振興局が発注した「厚幌ダム建設事業ダム本体工事」で、施工は安藤ハザマ・岩田地崎建設・田中組JVが担当。工期は14年10月8日~18年3月20日。ダムは堤高47・2メートル、堤頂長516・0メートル、堤体積48・1万立方メートルの規模となる。
 CSGは、現場近くの岩石質材料などにセメントと水を添加して製造する土木構造物の築堤材。台形CSGダムは、コンクリートダムと比べ、簡易な設備と汎用機械での施工が可能なため、省力化や工期短縮、環境保全、コスト縮減などのメリットがあり、採用の増加が見込まれている。
 台形CSGの高速施工には、大量のCSG製造が欠かせない。今回の混合設備は、上部の重力を利用した自由落下式のDKミキサーと下部のDKP-IIミキサ-(2軸強制連続ミキサ-)を組み合わせた。
 上部のDKミキサーは撹拌(かくはん)板を取り付けたミキサーユニットを5段重ねた筒状の装置で、上部からCSG材とセメントを投入する。投入された材料は自由落下しながら撹拌板で混合されるため、電力など動力を必要としない。ドライ混合されたCSG材とセメントはその下部にあるDKP-IIミキサーに落下・投入される。
 DKP-II内に特殊ノズルを設け、ミキサー内に噴霧状に給水することで、所要の品質を満たす均質なCSGの製造を可能にした。混合設備を3セット配置することで、1時間当たり345立方メートルの連続大量混合を実現したという。
 今後は、堤体上部の保護・構造コンクリートの打設や洪水吐き部の天端橋梁の施工を進める。

(日刊建設工業新聞様より引用)