建機大手4社/16年4~9月期決算/全社が減収・営業減益

 建設機械メーカー大手4社(コマツ、日立建機、コベルコ建機、住友重機械工業の建設機械部門)の16年4~9月期決算が10月31日出そろい、全社が減収、営業減益(コベルコ建機は経常減益)となった。排ガス規制の強化に伴う買い換え需要が一巡した影響で、国内需要が低調に推移。各社が注力する中国市場も、底を脱したと見る社が多いものの、本格的な回復には時間がかかる見通し。今後も各社とも難しいかじ取りを迫られそうだ。
 売上高は、コマツの建設機械・車両部門(外部顧客向け)が前年同期比9・3%減の6952億円、日立建機が8・3%減の3349億円。今期からクレーン事業を統合したコベルコ建機は13・9%減の1561億円。住友重機械工業の建設機械部門は9・7%減の888億円。このうち油圧ショベルを扱う住友建機の売上高は3・0%減の673億円だった。
 国内需要は、ミニショベルやホイールローダーなどの機種で排ガス規制強化に伴う駆け込み需要の反動減が発生。主力の油圧ショベルの需要は一定量あるものの、コマツは前年同期比6・9%減の1373億円、日立建機は4・0%減の1019億円、住友建機は7・2%減の231億円と軒並み減収となった。
 低迷が続いていた中国市場については、公共投資を中心とした景気対策により、コマツや日立建機、住友建機は底を脱したと分析している。ただ、設備投資の動向は依然として鈍化傾向で、本格的な回復には時間がかかる見通しだ。中国向け売上高は、コマツは前年同期比で13・8%増、日立建機は6・1%減、住友建機は32・4%増となった。
 売上高に占める鉱山機械(マイニング)比率が高いコマツと日立建機は、円高に伴う為替差損の影響を大きく受けた。マイニングの本体売上高は、前年同期比でコマツが16・9%減、日立建機が9・7%減だった。
 通期はコマツと住友重機械工業の建設機械部門が減収、営業減益を予想。日立建機は減収、営業増益、コベルコ建機は減収、経常増益とした。コマツは減収、営業減益となるものの、期初想定内で収まる見通し。日立建機は、売上高は減少するものの、前期に取り組んだ固定費の削減効果が出る見込みで、営業増益を予想した。

(日刊建設工業新聞様より引用)