担い手コンソーシアム/建設系教員向け免許更新講習整備/宿泊型の体験実習と座学で

 建設産業担い手確保・育成コンソーシアム(事務局=建設業振興基金)のプログラム・教材等ワーキンググループ(WG、座長・蟹澤宏剛芝浦工大教授)は、建築・土木系の高校教員向けに、教員免許更新制度に対応する更新講習を整備する。専門工事業の技能実習を中心とするカリキュラム。富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)での宿泊型の体験実習を想定している。年度内に講習プログラムを取りまとめ、文部科学省の認定取得に向けて申請準備を進める。=1面参照
 教育職員免許法の改正を受け、文科省は09年4月に教員免許更新制を導入した。免許状の有効期間は10年。免許状の有効性を維持するには、2年間で30時間以上の更新講習の受講・修了が必要となる。
 WGが21日に都内で開いた会合で、更新講習カリキュラムのイメージが示された。座学6時間、実習12時間の計18時間の構成。富士教育訓練センターでの実習を基本とする。生徒の学習や進路などの指導力向上につなげるため、建設現場で使用されている鉄筋・型枠工事の資材や工具を用いて実際の工事の流れに沿った施工実習を行う。
 座学はコンソーシアムが作成した「建設現場で働くための基礎知識(仮称)」を利用し、建設業の基礎知識や安全衛生全般、現場作業の基礎などの内容を想定。将来的にはeラーニングに対応することも検討する。今後、実施の時期や内容、講習費用などに関する要望を把握しながら、更新講習の詳細を詰める。
 蟹澤座長は「コンソーシアムで作成した教材の存在やその使い方、専門工事業団体の教材があることをこの講習に来ると知ることができる。こうしたインセンティブを設け、多くの教員が受講したいと思う講習にしていきたい」と話している。

(日刊建設工業新聞様より引用)