東北整備局鳥海ダム工事/本体着工へ手続き本格化/建設技術研究所らに業務委託

 東北地方整備局鳥海ダム工事事務所は、秋田県由利本荘市の子吉川上流に計画している鳥海ダムの本体着工に向け、堤体の設計や施工計画の検討など関連業務の委託手続きを本格化させている。洪水の調節と水道用水の供給、流水維持、発電を目的とした多目的ダムで、2020年度は転流工として仮排水トンネルと仮締め切り工事にも取り掛かる。総事業費は約1100億円。28年度の完成を目指している。
 ダムの建設地は由利本荘市鳥海町百宅地先。型式は台形CSGダム。堤高は81メートル、堤頂長は365メートル。洪水時はダム建設地点の計画高水流量(毎秒780立方メートルメートル)のうち、700立方メートルの洪水調節を行い、市に1日当たり最大2万0670立方メートルの水道用水を供給する。新設する発電所で最大出力990キロワットを発電し、用水補給など流水も確保する。
 総貯水量は4680万立方メートル。有効貯水量は3900万立方メートル。洪水調節用に2100万立方メートル分を確保する。
 堤体施設の設計は簡易公募型プロポーザルで建設技術研究所の提案を選び、5995万円(税込み)で契約した。業務内容はレイアウトの検討、施設設計など。履行期間は11月30日。施工計画詳細検討業務も簡易公募型プロポーザルを採用。ドーコンの提案を選定し、5495万6000円(税込み)で契約した。施工方法の選定や工程計画を検討する。履行期間は12月21日。
 地すべり解析業務も同方式を採用し、応用地質の提案を選んだ。契約額は5203万円(税込み)。地滑り対策工の検討や地滑りカルテを更新する。履行期間は21年2月26日。
 このほか、関連業務を委託し、ダムサイト河床部下流地質調査は1250万円でアサノ大成基礎エンジニアリング、同上流地質調査は1290万円でダイヤコンサルタント、左岸下流地質調査は1170万円でダイヤコンサルタントにそれぞれ決定。
 動物等調査は4139万円で建設環境研究所、技術資料作成業務は2530万円で東建工営、流量観測と採水業務は1030万円で小松測量設計、積算技術業務は5500万円でシビル設計・みちのくコンサル設計JV、工事監督支援業務は8320万円でシビル設計、用地関係資料作成整理等業務は4050万円で日本振興がそれぞれ落札した。

(日刊建設工業新聞様より引用)