福井県/空港ビル再整備へ24年度にも構想案、建替など検討

 福井県は、福井空港ビル(坂井市)の再整備を計画している。1965年の竣工から57年が経過し、老朽化が進んでいるため、入居者らと協議した上で、早ければ2024年度に新ビルの構想案をまとめる。建て替えを含めて協議する考えで、25年度にも具体化に向けて本格的に動き出す。空飛ぶクルマなど次世代モビリティへの対応も検討する。将来的には駐機スポット数や格納庫用地の拡充を目指す。
 県は、22年2月に「福井空港機能強化等タスクフォース」を設置し、空港全体の機能強化策について検討を始めた。空港ビルの再整備などはタスクフォースが3月末にまとめた「福井空港の将来像と今後の取り組み方針」に盛り込んでいる。
 県内市町が参加する「福井の空を語る会」が22年4月に発足し、医療や防災、産業、観光などの分野での地域貢献策について検討を始めたほか、同8月には空港ビルの入居者らで構成する「福井県小型機活性化推進協議会」が立ち上がるなど、福井空港の利活用に向けた動きが活発化している。
 福井空港(敷地約27万平方メートル)は66年に開港。当初は東京を結ぶ定期便が就航していたが、76年以降は休航している。現在は小型ジェット機やグライダーの離発着、操縦ライセンス取得のための訓練施設として利用しているほか、県の防災ヘリコプターや県立病院のドクターヘリが配備されている。
 滑走路の長さは1200メートル。駐機スポットは11カ所あり、午前9時から午後5時まで運用。空港ビルの規模はRC造2階建て延べ約1520平方メートル。管理事務所や展望スペース、会議室などが入るが、老朽化が著しく建て替えが必要とされている。
 空港ビルについては、入居者や地元関係者と協議を行いながら新ビルの構想案をまとめる考えで、管理事務所以外の機能は継続の必要性を踏まえ、規模などを検討する。旅客利用の増加に備え、CIQ(税関・入国管理・検疫)スペースや受付カウンター、乗務員の待機スペース、飲食店など新たに設ける施設を検討する。
 今後の取り組み方針では25年度から5年程度をかけて空港ビルを再整備する。
 空港機能については、短期(24年度まで)、中期(25年度から5年程度)、長期に分けて具体的な取り組みを示し、短期では空港ビルのリニューアルやCIQ対応の運用などを検討。中期では県内主要観光地を結ぶヘリコプターの商業運航などを目指す。長期では照明施設を新設した上で運用時間を延長するほか、空港ビルの再整備に合わせ、駐機スポット数や格納庫用地など空港施設の拡充を検討する。

(日刊建設工業新聞様より引用)