経産省ら/洋上風力セントラル方式運用方針案、必要調査を一元実施

 経済産業、国土交通両省は、洋上風力発電の導入拡大に向け、政府らが関与を強め促進区域の指定前に基礎的な調査を行う「セントラル方式」の運用方針案をまとめた。同方式に基づき、洋上風力発電設備の基本設計に必要な風況や気象海象などのサイト調査を、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が実施する。国が必要な調査を一元的に実施し、公募参加者に結果を提供することで地域調整の円滑化や、事業者の参加促進による公募の競争性と質の確保を目指す。
 両省が設置した有識者会議のウェブ会合を24日に開き、方針案を示した。
 方針案では、セントラル方式を「政府や自治体の主導的な関与により、効率的な案件形成を実現する仕組み」と定義。▽事業実施区域の指定、発電事業者の公募▽案件形成に向けた地域調整▽サイト調査(風況、海底地盤、気象海象)▽系統接続の確保▽環境配慮-の5項目を対象とする。
 方針案では、洋上風力発電事業に必要な調査について、国、自治体、事業者の役割分担を整理した。
 初期の案件形成は、地域の実情に精通する自治体の主体的な関与を前提とする。その上で、国が都道府県に対し、導入可能性の検討に必要な調査の対象区域を募集し、支援する。漁業の操業実態は都道府県、水産資源の実態は再生可能エネルギー海域利用法(再エネ海域利用法)に基づく公募で選定された事業者がそれぞれ調査する。
 サイト調査は、調査主体のJOGMECが調査に関する基本仕様を整理した上で、地域の実情を踏まえた個別仕様を区域ごとにまとめる。JOGMECは調査費用を、公募で選定された事業者に請求する。
 系統確保を巡っては、事業の参加希望者による系統の空押さえや重複した設備形成を防ぐため、国が系統接続に関する交通整理を行う「系統確保スキーム」の適用を原則とする。

(日刊建設工業新聞様より引用)