18年始動-各社トップあいさつ/追い風受け働き方改革本番、顧客・社会へ誠実に対応

 2018年仕事始めの4日、建設業界各社でもトップが社員に年頭のあいさつを行った。防災・減災対策やインフラ更新、2020年東京五輪関連工事や都市開発で追い風が吹く中での新年のスタート。多くのトップが担い手確保に向けた働き方改革と生産性向上に力を入れる方針を表明。安全と品質の確保、顧客や社会への誠実な対応を求める声も相次いだ。=4、5面に各社トップのあいさつ一覧
 昨年6月に就任した飛島建設の乘京正弘社長は「働き方改革で後れを取る会社は世の中から排除される。創意と工夫で改革を実施しよう。『いかにすればできるか』の意識を強く持ち、全員が心を一つに目標を達成しよう」と初の年頭あいさつで決意を表明した。
 18年度からの新中期経営計画で「ESG(環境・社会・企業統治)」への積極投資をキーワードに掲げる鹿島の押味至一社長は「日々の業務遂行で最も重要なことは、一人一人が法令、社会規範、社内規程を順守し、お客さまが満足する品質を安全な施工で所定の工期内に納めるという基本に忠実な生産活動を着実に実行していくことだ」と強調した。
 大成建設の村田誉之社長は、働き方改革と生産性向上の取り組み強化に加え、安全と品質の確保に言及。「プロ集団として、危険を予測する感性を磨き、気付いた危険は決して放置しないという積み重ねを本気で続けていかなければならない」と呼び掛けた。
 清水建設の井上和幸社長は、法令順守の徹底と働き方改革の推進を掲げ、「誠実なものづくりの実践と生産性向上への挑戦により確実な生産体制を構築する」と語った。
 竹中工務店の宮下正裕社長は「当社は『品質経営』を掲げ、築いてきた信用や社会的評価に支えられている。社会とお客さまの期待に真摯(しんし)に応え、一つ一つ信頼を積み重ねていきたい」と訴えた。
 4月に中期経営計画をスタートさせる企業のトップもメッセージを発信。合併新会社発足5周年を迎える安藤ハザマの野村俊明社長は「さらなる成長に向けステップアップしていく重要な年になる」と強調。1日に創業120周年を迎えた熊谷組の樋口靖社長は「今年は新3カ年計画の初年度。新生熊谷組グループを実現するため、全員参加で頑張ろう」と呼び掛けた。
 西松建設の近藤晴貞社長は「4月にスタートさせる中期経営計画2020は、10年後を見据えた施策『西松-vision2027』の達成のための基盤構築期と位置付ける」と述べた。
 東急建設、鉄建建設、東鉄工業、若築建設、不動テトラなども新年度から新たな経営計画に取り組む。
 道路舗装業界では、昨年4月に就任した日本道路の久松博三社長が「18年度は業績回復の年と位置付け、15年度の業績まで必ず回復させる」と決意を表明。昨年6月に就任した大林道路の福本勝司社長は「新しいことに挑戦しないと企業は衰退する。『おもろいこと』にぜひ挑戦してほしい」と訴えた。
 建築設計界では、日建設計の亀井忠夫社長が「専門性を高め、われわれにしかできない価値の高いサービスを創出する」と表明。創業70周年を迎える大建設計の平岡省吉社長は「歴史を糧にさえた頭でクリエーティブな仕事をしよう」と呼び掛けた。設計界では山下設計が創立90周年を迎える。
 建設コンサルタント業界では、昨年11月に東証1部に上場した長大の永冶泰司社長が「今年は名実ともに一流企業となるために、成長の安定化を進める元年としたい」と力を込めた。

(日刊建設工業新聞様より引用)