JR東日本/山田線宮古~釜石間の復旧着々/18年度開業へ、三陸鉄道への移管準備も

 JR東日本は、東日本大震災で被災した山田線(宮古~釜石間、延長55・4キロ)で進めている鉄道復旧工事の21日現在の進ちょく状況をまとめた。台風や豪雨の影響を若干受けたものの、18年度内の開業に向け、おおむね計画通りに工事を推進中という。
 現在は津波で倒壊した橋台や橋脚の復旧、盛り土作業を進めているほか、線路の補修、枕木や砕石の交換を開始した箇所も出てきた。
 復旧工事と併せて、山田線の南北両端でつながるリアス線を運営する三陸鉄道への移管に向けた準備も進める。
 各被災区間の工事進ちょくを見ると、宮古市エリアの津軽石駅付近では市施行区間で進む盛り土工事が完了後、軌道の敷設作業に入る。JR施行区間の盛り土と路盤工事は先月末までに完了しており、軌道の復旧作業を今後進める。
 山田町エリアでは陸中山田駅(全壊)付近で、関口川橋梁の劣化した枕木の一部を交換した。北浜地区の復旧区間でも砕石や枕木の配置、レールの敷設作業が進んでいる。
 大槌町エリアでは大槌駅(全壊)近くの大槌河橋梁区間で倒壊した橋台や橋脚の復旧作業を推進中。釜石市エリアでは鵜住居駅(全壊)付近の鵜住居片岸地区の盛り土作業が完了した。
 冨田哲郎社長は「山田線は三陸鉄道のラインとの一体運営で利便性がさらに高まる。第三セクターの三陸鉄道への営業の譲渡を前提に線路設備の復旧対応を進めており、19年度をめどに譲渡していきたい」と話している。

(日刊建設工業新聞様より引用)