イーリバースドットコム/学生向け見学ツアー開始/産廃循環工程体験、就活の一助に

 産業廃棄物の処理過程を管理する産業廃棄物管理票(マニフェスト)の電子化を手掛けるイーリバースドットコム(東京都港区、高橋巧社長)は、建設業界や産業廃棄物処理業界向けの新たな取り組みに乗りだした。大学生や教授・研究者を対象に、建設現場や産廃処分場などを見学するツアーを今年開始。現場から生じる廃棄物がどのようにリサイクル・処分されるか一連の工程を見てもらうと同時に、その間に活用される同社のサービスを知ってもらうのが狙いだ。
 同社は、建設業界向け電子マニフェストのASP(アプリケーションサービスプロバイダー)で高いシェアを持つ。15年度に「未来への創造と循環をITで支える」をコーポレートメッセージに、新たなブランドコンセプトを打ち出した。
 「従来の電子マニフェストウェブサービスに特化した企業ではなく、建設会社の創造工程(建設現場)への新たな間接貢献や処理会社の循環サービスへの貢献を深耕するのが狙い」(芥田充弘管理部長)という。
 見学ツアーもその一環で、顧客のCSR(企業の社会的責任)活動や採用活動に役立ててもらうのが目的の一つだ。「イーリバースドットコム(ERC)トレーサビリティツアー」の名称で、1日で「建設」「IT」「循環」の3業種の社会での役割を就職を控えた学生や学術機関の教授・研究者に体験してもらう。
 初回は2月に行われ、山本恭裕千葉商科大商経学部教授、神原理専修大商学部教授、大原悟務同志社大准教授が参加し、イーリバースドットコムの電子マニフェストASPサービスのデモ操作などを体験した。
 9月に開かれた2回目のツアーには、専修大の経営、経済、商学部の1~3年生9人が参加。建物や構造物の修繕を手掛けるヨコソー(神奈川県横須賀市、佐藤幹男社長)が横浜市内で施工中のマンション大規模改修工事と産業廃棄物の収集運搬・処理処分の光洲産業(川崎市高津区、光田栄吉社長)が横浜市に持つ中間処分場を見学した。
 見学を終えた学生からは、「産廃を扱う現場の方々に対する見方が大きく変わった」「一連のプロセスをイーリバースドットコムの利用方法と共に自分の目で学ぶことができた」などの感想が寄せられており、評判も上々という。
 原則無料で当面は首都圏を中心に開く。同社管理部総務グループの五十嵐理誠氏は「中小規模の企業では見学会の独自開催は難しい。企業と学術機関との接点にもなる。3カ月に1度は実施していきたい」としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)