五洋建設ら/カルシア改質土混合を格子構造バケットで効率化、混合時間3分の2に

 五洋建設と石本建設(兵庫県姫路市、石本明久社長)は、カルシア改質土の混合能力をアップするカルシアバケットを開発した。前面部、中間部、底面部のいずれも格子構造としたことが特徴。バックホウに装着し1回の撹拌(かくはん)操作で材料が3層の格子構造を通過するため、浚渫土の解泥やカルシア改質土の混合作業が効率化できる。従来に比べ混合時間を約3分の2に短縮。1日の施工量も1・5倍程度に増える。
 カルシアバケットは国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録済み。カルシア改質土は、軟弱な浚渫土とカルシア改質材(転炉系製鋼スラグを成分管理・粒度調整した材料)を混合した材料。強度発現や濁り抑制などの特徴を生かし埋立材や浅場、干潟の基盤材などに使われる。浚渫から解泥、混合、投入に至るサイクルの中で時間が掛かっていた解泥・混合作業は土運船を係船し、陸上からバックホウ2台で行うのが一般的だった。
 3層の格子構造を持つカルシアバケット1台と標準バケット1台を併用した場合の10ケースに及ぶ混合時間の測定結果では、標準バケット2台に比べ混合時間が3分の2程度に短縮できることを確認。標準バケットでは1日2サイクルが限界だった施工が3サイクル可能になる。浚渫作業の待ち時間も解消し、生産性が飛躍的に向上する。
 現在は0・8立方メートル型と1・9立方メートル型、3・1立方メートル型のバケットを保有。土運船の大きさや施工規模に応じて使い分けできる。同社はカルシア改質土を利用した社会基盤の効率的な整備に向けカルシアバケットを積極的に活用していく。

(日刊建設工業新聞様より引用)