南海本線羽衣駅前地区再開発(大阪府高石市)/府が権利変換計画認可/組合

 大阪府高石市の南海本線羽衣駅前を対象にした市街地再開発事業で、府は11日、同駅前地区市街地再開発組合が申請していた権利変換計画を認可した。住宅や店舗などで構成する再開発ビルを計画しているほか、駅前広場や関連街路などを整備する。組合では認可を受け、今月中にも特定業務代行者の募集手続きを開始する。既存建物を除却した後、16年度内の着工を目指す。駅前広場などを含めた全体完成は20年度を予定。
 対象区域は、羽衣駅周辺の約1・1ヘクタール(高石市東羽衣1、3ほか)。再開発ビルは駅の東側に計画し、規模はRC造23階(PH2階)建て延べ約1万6700平方メートル。住戸は145戸を予定している。
 1、2階に権利者の店舗や住宅のエントランスなどを設けるほか、1階には子育て支援センターを設置。3階以上が住戸で、2LDKから4LDKまで多様なプランを設定する。別棟の機械式自動車駐車場は92台を収容する。JR東羽衣駅に近いことから2階部分に同駅を結ぶ歩行者デッキ(幅員3~4メートル、延長約110メートル)を設置し、両駅間のアクセスをスムーズにする。
 駅両側にあるロータリーは西側に集約し、再開発ビルを建設する東側に歩行者らが利用できる広場を整備。街路は駅前線(幅員18メートル、延長108メートル)や駅東側線(10~16メートル、135メートル)、駅西側線(12メートル、136メートル)を計画し、市の玄関口にふさわしい駅前づくりを進める。
 組合には参加組合員として東急不動産が参画しており、住宅部分の保留床を同社が購入し、分譲販売する。事業者を選定し、既存建物を解体撤去した後、17年春に着工する見通しだ。
 羽衣駅では府と市、南海電鉄が「南海本線・高師浜線(高石市)連続立体交差事業」を進めており、5月14日に本線下り線(和歌山市方面)の切り替えが完了し、現在は既設下り線の撤去作業を行っている。今後、上り線(難波方面)の高架化工事が本格化する。

(日刊建設工業新聞様より引用)