国交省/公共建築工事で発注者役割果たす方策案/自覚と認識共有、技術基準類も総点検

 国土交通省は、公共建築工事の発注者が役割を適切に果たすための方策(案)をまとめた。公共建築工事の特徴を踏まえた発注者の役割を発注者が自覚し、発注者の共通認識にするため、役割に関する基本的な考え方の共有化を図る。発注者間の協力・連携の強化策として、官庁営繕の技術基準などの活用に向けた連携強化や、発注者の業務内容に関する理解の促進などを挙げた。公共発注者の役割を踏まえて技術基準などを総点検。必要に応じて改定することも明示した。=2面に関連記事
 社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)の建築分科会官公庁施設部会(部会長・大森文彦東洋大教授)が14日に東京都内で開かれ、国交省が方策(案)を提示した。
 発注業務に必要な体制や技術力など発注者の置かれている状況はさまざま。それを踏まえ、公共発注者が求められる役割を適切に果たすために、▽「発注者が果たすべき役割」を発注者が自覚し発注者の共通認識とする▽発注者間の協力・連携を強化する-の二つの方策を示した。
 当面実施すべき施策としては、発注者の役割に関する基本的な考え方を整理して発注者間で共有化を図る。解説や事例なども用意し、発注機関の責任者や事業部局に周知する。国交省や都道府県・政令市でつくる全国営繕主管課長会議を情報共有の場として活用。市区町村との協力・連携も要請していく。
 官公庁施設部会が年内に取りまとめる答申を踏まえ、官庁営繕の技術基準などの総点検を行い、必要に応じて改定する。改定ポイントや概要を発注者に伝わるよう広く周知することも明記した。発注者の業務内容に関する理解を促進するため、発注や事業の実施に必要な情報、優良・不適切事例などを発注者間で共有することも盛り込んだ。
 大森部会長は、「受発注者の対等な技術的対話を促進することも大事だ。三つ目の方策にしてはどうか」と提案。これを受け、国交省は個別事業の実施に対する支援環境の醸成につながるとし、方策項目を整理・再検討するとした。

(日刊建設工業新聞様より引用)