国交省/前払金使途拡大の特例措置導入広がる/10月3日時点で471団体に

 公共発注機関で工事の前払金の使途を拡大する特例措置の導入が進んでいる。国土交通省が16年度予算の早期執行に向け、同省直轄工事で6月から適用した措置。他の公共発注機関にも導入を促しており、10月3日時点で前払金の使途を拡大した発注機関は471団体(9月1日時点403団体)。うち都道府県が44団体(41団体)、市町村が394団体(332団体)と増加分の大半を占めた。国交省は補正予算の早期執行にも役立つ措置として引き続き導入を促す。
 政府が4月に公共事業関連予算の前倒し執行を打ち出したことで、国交省は直轄工事で前払金の使途を拡大する方針を5月に表明した。特例として、すべての現場管理費と、技術者・従業員の給与など工事着手に必要な一般管理費に拡大。拡大分は前払金全体のうち4分の1を上限にする。16年4月1日~17年3月31日に新たに請負契約を締結し、3月31日までに前払金が支払われる工事が対象。これにより早期の工事着手、事業進ちょくにつなげる。
 公共工事前払金保証事業会社3社(北海道、東日本、西日本)の調査によると、3日時点で特例措置を導入した発注機関は471団体(9月調査407)。内訳は、国が6(6)、政府系機関が27(24)、都道府県が44(41)、市町村が394(332)だった。
 国の発注機関の導入数に変わりはなかったが、自治体での導入が大きく進んだ。国交省は7月8日付で都道府県・政令市の主管担当部局長に「16年度予算の早期執行に伴う公共工事の前払金の特例の考え方について」と題する文書を送付。管内の市区町村への周知も求めた。今回の措置について5月に各地方整備局に通知した文書と、改正した直轄工事の請負契約書も添付。各自治体に参考にしてもらい、使途拡大の導入を後押しした。
 国交、総務両省は、16年度第2次補正予算を含めた今後の公共工事の円滑な施工を要請する文書を、14日付で送付した。この中で建設業者の資金調達の円滑化を図るため、公共工事関連予算の早期執行に役立つ特例措置の導入を促した。

(日刊建設工業新聞様より引用)