国交省/広島空港(広島県三原市)の民営化方針固める/県の要望踏まえスキーム検討

 国土交通省は11日、国が管理している広島空港(広島県三原市)を民営化する方針を固めた。先行する仙台(宮城県名取、岩沼両市)、高松(高松市)、福岡(福岡市)の3空港と同様に公共施設等運営権(コンセッション)方式を採用し、滑走路などの基幹施設と旅客ターミナルビルを一体で民間に運用してもらう。広島県が来年3月にまとめる国交省への要望項目を踏まえ、民営化の目標時期や民間事業者の公募要項といった詳細なスキームを詰めていく。
 石井啓一国交相が同日の閣議後の記者会見で表明。「地元関係者の意見を聞きながら着実に進めていきたい」と述べた。
 広島空港は国内外70都市との間に就航路線がある。滑走路は1本(延長3000メートル、幅60メートル)。旅客数は15年度実績で約267万人(うち国内線約239万人)と、中国・四国地方にある国管理空港の中では最も多い。
 国交省によると、民間の資金とノウハウを活用して施設の運用などをさらに工夫すれば、原爆ドームや厳島神社のような世界遺産がある広島市周辺への玄関口として国内外からさらなる利用客の増加を見込めるという。現状では、空港~広島市中心部の公共交通アクセス手段がバスかタクシーに限られ、移動に1時間程度かかるなど利便性に課題が多い。
 石井国交相は「(空港への軌道系交通の接続を含めた)交通アクセスの改善は空港運営を委託された民間事業者が考えていくことだ。民間から積極的な提案が行われ、改善されることを期待したい」と強調した。

(日刊建設工業新聞様より引用)